こぼれ話 - 炬燵

いけばな二人展「行き行きて 行きて 花」にまつわるお話、今回は「炬燵」についてのお話です。

 

前回、「ツルハシ」を花留めに用いた趣向をご紹介しました。

同様に本来の用途とは異なる用い方をされていたのが「炬燵」です。

 

ひとつは、床の間のしつらえの一点、写真左上の椿が活けられた作品。

こちらに用いられているのは「番屋炬燵(ばんやこたつ)」という置き炬燵の一種で、中に熾した木炭などを入れて使います。

起き炬燵は移動可能であることが特徴ですので、上部の弧の部分は取っ手かもしれませんね。

もうひとつは、こちらの作品群。

 

こちらは「ころころ炬燵」という置き炬燵の一種です。

花が活けられている金属製の器部分に熾した木炭などを入れ、周りの木枠を閉じて使います。

この器部分が自在に回転する造りになっており、木枠がどのように動いても水平を保つようになっています。

 

作品の写真をご覧いただくと、器部分が木枠の上下どちらにあっても、器の口は上を向いているのがおわかりいただけるかと思います。

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